本研究の目的は異なった年次における国勢調査と農業センサスの小地域統計の統合的利用のための方法を開発し,GIS(地理情報システム)を用いて可視化することである. まず,パイロット・スタディにおいて両統計間,そして異なった年次間での小地域統計の分析・可視化の手法(くりぬき法,および可住地基準を用いた比較可能区域設定法)を確立した.この手法的な確立を受けて,より大きな地域スケールでの分析を岩手県北東部(平成の大合併前の時点における13町村)において実施した.この研究の成果は,戦後の日本縁辺部の社会経済的動態を従来よりもはるかに正確かつ高精度に示している.
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