豊かな自然環境を研究対象とする活動がもたらす学術的成果を観光資源と捉え、自然科学研究と地域社会を観光によって結びつけることで、研究活動を持続的に維持しながら、地域社会への正の影響を高める観光(リサーチ・ツーリズム)の概念の確立を目指し、我が国の世界自然遺産地域で実施されている学術研究活動の状況と観光との関わりを分析した。いずれの地域でも科学委員会は自然環境の保全、管理において重要な役割を担っていたが、設立年代やワーキンググループの設置状況、検討項目は地域間で異なり、地域で活動する研究者と観光客、観光ガイドとの関わり方は地域によって大きく異なることが明らかになった。
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