H26年度は、昨年(H25年度)に行った基盤的な知見の獲得、具体的には、政策論、学問論、大学論に根ざした異分野融合の理論モデルの構築をもとにして、我が国の「異分野融合の現状」を調査する質問項目作りを行い、それを実行するシステムの構築を行った。 質問項目作りには、2013年に行った京都大学学内一斉アンケート調査の実施結果を活かし(参考:http://www.cpier.kyoto-u.ac.jp/?p=1562)、それを発展させた形でまったくゼロから再構築した。学問論等の学術的な知見を土台とし、一般企業で適用されているチームビルディングの手法、リーダーシップの理解手法などを適用させて現場感覚を含めた実態を調査することに重点を置いた。また、アイダホ大学マイケル・オルークらが行っている哲学の知を学際研究に活かそうという試み”ツールボックスアプローチ”を参考にし、研究者の世界観に迫った独自の「研究者分野間の特性調査」をねらった。 上記の調査項目案を作成したのち、実際の研究者にプレビューを行う目的でワークショップを開催した(2014年11月)。文学、理学、工学、医学など、合計14名の研究者が参加し、質問項目を一つづつ吟味しながらその妥当性を検討した。また途中経過として、シンポジウム「学際研究の原理」にて報告を行った(2015年3月)。 すでにこれらの結果をまとめた大々的な調査システムを構築しており、現状ではベータ版の作成に至っている。H27年度上期中に大々的に調査開始をねらう。
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