研究課題/領域番号 |
25560163
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
池田 宏史 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 特別研究員 (50524716)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 夜行高速バス / 睡眠 |
研究概要 |
文献・ヒアリング調査と質問紙を用いた調査を研究スケジュールの通りに行った。特にヒアリング調査に重点を置き、高速バス運転士の夜勤と睡眠に関する実態について調べることができた。 質問紙を用いた調査では、夜間運転における労働と健康について、夜勤交代勤務を行うバス運転士40名に質問紙を用いた調査を実施した。この調査質問紙は、事前の文献調査とヒアリング調査で得られた知見をもとに作成された。とくに、夜勤体制に関する詳細については、調査協力機関の意見を参考にした。質問項目は、夜勤における夜行高速勤務時の緊張・疲労感の比較や運転疲労、夜行高速勤務における作業の単調・緊張感、仮眠状況、疲れ・眠気・身体疲労の出現時期に関する項目、夜勤の睡眠に関する項目、夜勤明けの就寝時刻に関する項目、夜行高速勤務における健康状態から構成された。 解析の結果、85.0 %の運転士は車中キャビン内の仮眠室であるにもかかわらず、夜間の仮眠時間中にある程度の睡眠はとることができており、その効果は疲労回復よりも、眠気防止の方が大きいことが分かった。また、運転士の昼間の睡眠時間については、自宅よりも出先の方が短く、出先の宿泊施設では自宅と同じような睡眠をとることが難しい要因があることが分かった。 眠気防止や疲労回復のためには、睡眠は必要不可欠なものであり、質の良い睡眠をとることができる環境を整備すれば、運転士の心身負担を軽減できる可能性があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に、高速バス運転士の夜間運転業務における夜勤と睡眠に関する情報を整理することができ、次年度に実施する実測測定調査のための条件設定を決定することができた。夜勤と睡眠に関する実態調査は、ほぼ85%以上予定を消化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
夜間仮眠(車中仮眠)中や昼間睡眠(出先宿泊所睡眠)中の心拍数から、休養(疲労回復)の必須条件である睡眠の評価を行う。評価の方法として、夜行高速バスの乗務時(運転・業務・睡眠・余暇)の心拍を連続測定し、心拍数の増減傾向を分析し、それぞれの行動を遂行するための負担度を推定する。また、交代システムの生活時間に及ぼす影響を明らかにするために、行動記録調査も同時に行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果の学会発表の旅費に対する費用であった。初年度の研究成果を関係学会で発表する予定であったが、一部追加の解析の必要がでてきたため、期間内に準備が間に合わなかった。 初年度に発表する予定であった研究成果を、国内外の学会で発表するための旅費費用にする。
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