東日本大震災後,風力発電に大きな関心が集まる中,風車の適地は海岸地区から山間部に移動しており,複雑地形上に風車を建設せざるを得ない状況にある.最近では,風車近傍の僅かな地形の凹凸や地表面粗度の急変が作り出す風の乱れ(地形乱流)が原因で,①風車の発電成績が計画段階よりも著しく悪い,②風車の故障が多発する,などの事例が報道されて問題になっている(内田孝紀 他4名:白滝山ウインドファームの風車ブレード損傷事故の原因解明―コンピュータシミュレーションによるアプローチ―,風力エネルギー協会誌,Vol.34,通巻.96,pp.77-84,2011). 本研究では,風車を故障させず,かつ当初予定の発電量を得るために,風車に対するウィンドリスクを最新の数値風況予測技術で再現し,3次元として立体的に特定する.さらに,風車の安全運転に関する具体的な指針を提案する.
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