研究課題
挑戦的萌芽研究
糸静線の活動時期を見積もるために実施したXRD分析の結果、断層岩中のスメクタイトの有無が活動性評価に利用できることが判明した。また、糸静線の断層岩を用いたESR年代測定の結果、ESR年代値は最新活動年代の上限値を示すというESR法の原理の有効性が確認できた。さらに、糸静線の活動域は現在の想定範囲よりもさらに南方に5km以上延びることが判明した。一方、地震の規模を見積もるのに必要な断層摩擦熱エネルギーの算出に用いるFMR信号は糸静線からは検出されなかった。野島断層岩のESRスペクトル解析の結果、FMR信号の原因鉱物はシデライトの熱分解に伴う不均化反応で生成するマグネタイトであることが判明した。
構造地質学、地球年代学