研究概要 |
本研究で提案している自然災害安全性指標GNSに位置づけを明確にする目的で、現在までに提案されている自然災害の安全性、もしくは脆弱性の指標化の現状を整理した。その結果Coping Capacity Index, Disaster Risk Index,Integrated Risk Index,Local Disaster Index,Prevalent Vulnerability Index, Risk Management Index,Social Vulnerability Index, World Risk Indexについて整理をするとともに、本研究で提案するGNSと、指標化方式、指標化に含まれる情報の2つの視点から比較検討を行った。指標化の方式は、重みつけ重層線形化が主流であり、現状では最適なものであること、指標化の含まれる情報についてはGNSが提案している自然条件、地質、地形、降雨について陽な形で含まれている指標は現在使用されていないことが明らかとなった。 World Risk Index(WRI)の体系は、自然科学と社会科学の両面から調和のとれた指標化体系と有している。一方でWRIは自然科学的側面としてのIndexとしてHazard Exposure に晒される人口比が採用されているだけに過ぎず、GNSは潜在的自然要因の定量化を目指している視点からは、災害発生の潜在的自然要因の定量的扱いが欠如しているとも受け止められる。すなわち、自然界には自然災害に弱い地形や地質が存在し、日本にはそのような地盤が多い。例えば、沖積地盤(盛土・液状化地盤・軟弱地盤)、付加体地盤(断層帯・変質帯・メランジ)、火山性地盤(火山灰・変質帯)などを指摘することができる。
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