研究課題/領域番号 |
25560188
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
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研究分担者 |
白石 泰之 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (00329137)
三浦 英和 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (50451894)
吉澤 誠 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (60166931)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心房細動 / ペルチェ素子 / 不整脈治療 / 人工臓器 / 完全埋込型不整脈治療装置 |
研究実績の概要 |
本研究の開発目標は、世界で初めての「患者が自分で、服の上からでも発作を停止させることができる不整脈治療装置」である。そのために完全埋め込み型病巣電子冷却装置と、患者が自分自身で体外から治療する経皮エネルギー伝送システム開発を行い、動物実験で、その効果を確認し、埋め込み型システムとしての基本性能と安定性、生体適合性試験を行い、最終的には動物実験によるフィージビリティスタディなどから臨床前試験を施行するところまでを目標に置いて研究を進めた 東日本大震災では被災地の避難所で不整脈発作が多発し治療に難渋した症例も多かった。高齢者での心房細動などの頻脈性不整脈の有病率は高く、脳梗塞を合併すると、生命予後はもちろん、片マヒなどの合併症の発生により罹患後の生活の質quality of life(QOL)に重大な影響をもたらす。 我々は患者が自分で心房細動の治療を行うことができる電子冷却素子と経皮エネルギー伝送システムを組み合わせた「患者が服の上からでも治療できる頻脈発作治療装置」を発明し、特許を申請したので、本研究では、新しい治療法の選択肢としての埋め込み型デバイス開発を行い、動物実験でこの効果を確認し、各疾患群における効果を確認した後、慢性耐久性試験を行い、企業化産業化を目指す。そのためにペルチェ素子による冷却デバイスの開発研究を行い、経皮エネルギー伝送2次コイルとコントロールロジックのデバイス開発を試み、心房細動などの不整脈発作を停止させる方法論開発を行いつつ、小型化へ向けたリファインを行った。動物実験倫理委員会の厳正な審査の後、平均日本人男性とほぼ同じ体重を保持する山羊を用い、全身麻酔下に開胸手術を行い、心房細動発作を誘発させ心房の表面冷却による心房細動停止効果を確認した後、最適な冷却温度についても研究を行い、精力的に研究を進めている
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における開発目標は、世界で初めての新しい治療方法である「患者が自分で服の上からでも治療できる頻脈発作停止装置」である。そのために、体内埋め込み部として、ペルチェ電子冷却素子を用いた埋め込み型病巣冷却システム及びコントロールデバイス、体外から局所に電力を供給する1次コイル、及び、体外ユニットの開発研究を行う。更に動物実験でその安全性、治療効果について研究を試みる。 そのために、左心房、右心房に接触させることができるペルチェ素子による冷却デバイスの開発研究を行い、経皮エネルギー伝送2次コイルとコントロールロジックのデバイス開発を試みるており、これと並行して1次コイル及び体外ユニット開発を行いつつ、体外から2次コイルに電力を輸送して、心房細動などの不整脈発作を停止させる方法論開発を行いつつ、小型化へ向けたリファインを行うのが年度目標であり、現在までに、動物実験結果がでるように経過している。動物実験倫理委員会の厳正な審査の後、平均日本人男性とほぼ同じ体重を保持する山羊を用い、全身麻酔下に開胸手術を行い、心房表面を露出させて、直流通電など様々な方法論により、心房細動発作を誘発させる実験に成功しているほか、誘発した心房細動に対し、心房の表面冷却による心房細動停止効果を確認しており、さらに心房の冷却部位を比較し、左心房、右心房の冷却効果の比較も行って、心房細動停止効果が確認された後、最適な冷却温度についても研究を行って順調に経過している。 具体的には、ペルチェ素子の通電時間、目標温度設定などについて、研究を進め、心房内に血流が存在する場合でも目標とする心房筋組織病巣が、最適に冷却され、組織障害を起こさないための通電時間、冷却時間について研究し、コントロールロジックとして二次コイル、制御回路、ペルチェ素子の最適設計を目指しており、ほぼ成果は達成していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
開発目標は、世界で初めての新しい治療方法である「患者が自分で服の上からでも治療できる頻脈発作停止装置」である。 この開発研究のために、体内埋め込み部として、ペルチェ電子冷却素子を用いた埋め込み型病巣冷却システム及びコントロールデバイス、体外から局所に電力を供給する1次コイル、及び、体外ユニットの開発研究を行う。更に動物実験でその安全性、治療効果について研究を試み、左心房、右心房に接触させることができるペルチェ素子による冷却デバイスの開発研究を行い、経皮エネルギー伝送2次コイルとコントロールロジックのデバイス開発を試みる。並行して1次コイル及び体外ユニット開発を行い、体外から2次コイルに電力を輸送して、心房細動などの不整脈発作を停止させる方法論開発を行いつつ、小型化へ向けたリファインを行い、動物実験倫理委員会の厳正な審査の後、平均日本人男性とほぼ同じ体重を保持する山羊を用い、全身麻酔下に開胸手術を行い、心房表面を露出させて、直流通電など様々な方法論により、心房細動発作を誘発させる実験を進め、誘発した心房細動に対し、心房の表面冷却による心房細動停止効果を確認し、さらに心房の冷却部位を比較し、左心房、右心房の冷却効果の比較も行って、心房細動停止効果が確認された後、最適な冷却温度についても研究を行い、ペルチェ素子の通電時間、目標温度設定などについて、研究を進め、心房内に血流が存在する場合でも目標とする心房筋組織病巣が、最適に冷却され、組織障害を起こさないための通電時間、冷却時間について研究し、最適設計を目指す。 最終的には、心房細動に対して薬剤加療とペルチェ素子による病巣冷却と比較検討を行い、システムの有効性の比較検討を行う。治療法の異なる動物実験なのでダブルブラインドは不可能だが、効果の比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発目標は、世界で初めての新しい治療方法である「患者が自分で服の上からでも治療できる頻脈発作停止装置」である。 この開発研究のために、体内埋め込み部として、ペルチェ電子冷却素子を用いた埋め込み型病巣冷却システム及びコントロールデバイス、体外から局所に電力を供給する1次コイル、及び、体外ユニットの開発研究を行う。更に動物実験でその安全性、治療効果について研究を試み、左心房、右心房に接触させることができるペルチェ素子による冷却デバイスの開発研究を行い、経皮エネルギー伝送2次コイルとコントロールロジックのデバイス開発を試みる。本年度はシステムの試作に集中し、試作システムの動物実験を開始したところで若干繰り越しは残したが、今年度は動物実験も進めており、さらに急性から慢性の動物実験を次年度以降に集中して行うため、研究費用の一部を次年度にも移行させた
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次年度使用額の使用計画 |
開発目標は、世界で初めての「患者が自分で服の上からでも治療できる頻脈発作停止装置」である。この開発研究のために、体内埋め込み部として、ペルチェ電子冷却素子を用いた埋め込み型病巣冷却システム及びコントロールデバイス、体外から局所に電力を供給する1次コイル、及び、体外から2次コイルに電力を輸送して、心房細動などの不整脈発作を停止させる方法論開発を行いつつ、小型化へ向けたリファインを行い、動物実験倫理委員会の厳正な審査の後、平均日本人男性とほぼ同じ体重を保持する山羊を用い、全身麻酔下に開胸手術を行い、心房表面を露出させて、直流通電など様々な方法論により、心房細動発作を誘発させる実験を進め、最終的には、心房細動に対して薬剤加療とペルチェ素子による病巣冷却と比較検討を行い、システムの有効性の比較検討を行う。治療法の異なる動物実験なのでダブルブラインドは不可能だが、効果の比較検討を行う。
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