研究課題/領域番号 |
25560203
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
工藤 奨 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70306926)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 内皮細胞 / メカノバイオロジー |
研究概要 |
血流による摩擦力であるせん断応力や,血管の伸展に伴う引っ張り応力などの力学的な刺激を常に受けている血管内皮細胞の移動メカニズムを明らかにすることを目的としている.具体的には,引っ張り応力などが内皮細胞に加わった際,細胞内Rho-kinaseのROCK2(ロック2)が力学状態により偏りをもって移動することを仮定し,ROCK2をフォトクロミック蛍光タンパク質と融合させ,ROCK2の移動と細胞の移動を同時計測する. ROCK2はその活性状態により細胞内から細胞膜へと移動することが知られている.しかしながら,その移動形態は各種阻害剤等を使用した薬品処理後の細胞を,細胞質や細胞膜に分離しウェスタンブロットなどによる解析によりその移動が確かめられてきた.本来,動的過程を観察するためには生細胞の状態でROCK2を可視化する必要がある.そのため,本研究では蛍光タンパク質を用いてROCK2を可視化する予定でいる.仮にROCK2とGFPに代表される通常の蛍光タンパク質を融合させたタンパク質を細胞内に発現させたとしても,細胞内のROCK2全体が光ってしまいその移動を追跡することは難しい.申請者の研究室では,細胞膜表面のタンパク質や細胞内のタンパク質を光転換型蛍光タンパク質Dronpaを使用して標的のタンパク質だけを可視化することでその移動を可視化し,タンパク質の移動状態を解析し成果をあげてきた実績がある. 本研究においてもこの光転換型蛍光タンパク質Dronpaを使用して可視化する予定であったが,DronpaとROCK2の融合タンパク質の作製が現時点では非常に困難となっているため, 現在ROCK2を活性化する上流タンパク質の可視化を試みている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現時点ではROCK2と光転換型タンパク質Dronpaの融合タンパク質の可視化ができていない.
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今後の研究の推進方策 |
現時点ではROCK2と光転換型タンパク質Dronpaの融合タンパク質の可視化ができていない.そのため,引き続き融合タンパク質の作製可視化に取り組む.同時に,ROCK2の上流に存在するタンパク質の可視化にもとりくみ,間接的ではあるがROCK2の動態をとらえる予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は,初年度であり調査が主であったため. ROCK2の間接的な可視化法をあらたに作製し,当初予定した計画の範囲を広げ研究を進める.
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