本研究では、コスト性・簡便性・迅速性・量産性に優れ、生体に近い環境で、様々な化合物に対する細胞の応答を直接且つ網羅的に検出する新たな技術「中空糸配列体を用いた細胞マイクロアレイチップ」の開発を行った。緑色蛍光および赤色蛍光を示す2種類の薬剤とポリマーを混合し、中空糸に充填し、これらをモザイク状に配列させたチップを作成し、薬剤の徐放と細胞への取り込みを評価した。このチップ上に播種された細胞に対する毒性は非常に低く、細胞運動は阻害されず、且つアレイ上に接触した細胞にのみ薬剤が取り込まれ細胞が緑色または赤色蛍光を示した。 細胞をチップの上面に播種するのではなく、細胞をプレートに播種し、その上部にチップを接触させ、細胞の上面より薬剤を徐放させる手法がより効果的である事が分かった。本結果について、特許出願を行い、現在論文投稿中である。 「3Dチップ」の開発については、薬剤を充填したナノ粒子を安価に作成できる方法の開発が遅れ、目標を達成する事が出来なかった。
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