還元環境応答性のジスルフィド結合を側鎖に有する七員環状ジ置換アミノ酸、コントロールとして、安定な結合のみからなる七員環状ジ置換アミノ酸、二つのプロピル基を有する鎖状ジ置換アミノ酸をそれぞれ含有するL-Leuオクタペプチドを合成し、その構造解析を行った。 還元環境応答性ジ置換アミノ酸を含有するペプチドは還元環境に応答して、溶液中での二次構造が変化することがわかった。これは、ジ置換アミノ酸の側鎖構造が環状から鎖状へと変化していることに起因するものであった。しかしながら、コントロールとして合成した二種類のペプチドの二次構造に大きな違いは見られなかった。これらの結果より、側鎖構造の変化だけではペプチド二次構造の制御は難しく、官能基の有無もしくは親疎水性の変化が、ペプチド二次構造に与える影響が大きいことが明らかになった。
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