研究課題/領域番号 |
25560229
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
川添 直輝 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (90314848)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生理活性分子 / パターニング / 多孔質足場材料 |
研究概要 |
本研究では、生理活性因子を三次元的にパターン化した多孔質足場材料の開発を目的としている。パターン化多孔質材料の作製にあたって、平成25年度は下記の①~③の項目について検討した。 ①多孔質材料原料への生理活性因子の導入条件 ②生理活性因子を導入した多孔質原料水溶液によるライン状パターンの描画条件 ③多孔質原料水溶液とライン状パターンの生理活性因子の凍結条件 なお、①~③に続く工程である④凍結乾燥法による多孔質構造の形成、⑤架橋による多孔質構造の固定化については、まずはこれまでに申請者らが用いてきた方法をそのまま適用することにした。項目①において、生理活性因子の作用を持続させるためには、その導入方法を検討することが重要である。多種類の条件を検討する必要があると考え、生理活性因子としてVEGFよりも安価に入手できるインスリンを用いた。種々の仕込み量でインスリンを導入したコラーゲンスポンジを作製し、走査型顕微鏡により連通した空孔構造が観察された。項目①の研究成果を論文にまとめた。項目②、③については、平成26年度に学会発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度はパターン化多孔質足場材料の作製方法を検討することが目標であったので、おおむね順調に進んでいると考えている。生理活性因子をコラーゲンスポンジに導入する手法を検討し、その研究成果を論文として発表することができた。また、生理活性分子を含む凍結物のパターンを融解させず、かつ多孔質体原料の凍結をコントロールするのは挑戦的な検討項目であったが、平成25年度のうちに温度条件を見出すことができたので、平成26年度に学会にて発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までに検討した作製方法および条件を用いて、生理活性分子をパターン化した多孔質足場材料を作製する。パターン状多孔質足場材料において、平均空孔サイズ、生理活性分子導入領域のライン幅、生理活性分子導入領域のライン間隔等を種々の値に変える。今後は、作製したパターン化多孔質材料を用いて、細胞の接着、分布、増殖、および細胞への毒性を調べる。さらに、動物実験を行う場合、実験用動物の使用を必要最小限に抑えるため、パターン化多孔質材料の作製条件を十分に最適化し、必要最小限のサンプルで実験を行う必要がある。
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