近年、鉄イオンの無制限な摂取が発ガンや様々な重篤な疾患の発症の危険性を高めていることが明らかとなっている。また骨髄不全性症候群の患者は、長期間にわたる輸血により、血液中の鉄イオンが過剰になることから、生体に安全な除去システムの開発が望まれていた。 本研究では、生体適合性の高いポリエチレングリコールを用いた新規のキレート材料の分子デザインと調製および鉄イオン除去効果の検証を行った。具体的には、4分岐と8分岐をしたポリエチレングリコールの末端にリン酸基を導入した材料は、鉄イオンと効果的に相互作用し、模擬実験においても透析膜を挟んで鉄イオンを効果的に除去できることが分かった。
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