本研究では対称構造を有するタンパク質ケージを組み立てる新しい方法を提示する。変異導入したTRAPタンパク質は、外表面上にシステイン残基を有する11員環に折り畳まれる。金クラスターと共に反応させると非常に安定性の高い空洞のケージ(TRAP-ケージ)を形成し、還元条件下で脱集合する性質を有し、ドラッグデリバリーに応用できる可能性がある。TRAP-ケージ構造は予想外に金原子が協調的に作用して連結される結果を示した。このケージは金属配位による最初の新たなタンパク質ケージの構築を示し、特有対称性の変形立方体を有する。この結果は、別の対称性を探索することで大きなタンパク質ケージを構築する新戦略を提案する。
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