本研究では,微小気泡を付着させた細胞への超音波照射により細胞内に遺伝子や薬剤を導入する手法に関する実験的検討に必要となる2つの要素技術について検討した.気泡による導入はその付着位置に起きるため,気泡の大きさや位置の制御により導入を制御することができる.そこで本検討では,気泡捕捉用光ピンセットの捕捉力を改善し,従来困難であった細胞核上への気泡の移動を実現した.また,細胞膜の張力が低く損傷細胞の修復力が高い生体内に近い状態での実験を実現することを目的に直径100ミクロン程度の微小細胞培養ウエルを開発した.さらに,これを用いた細胞内導入実験を行い,容器の有用性を確認した.
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