研究課題/領域番号 |
25560234
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石幡 浩志 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40261523)
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研究分担者 |
小林 洋子 (岩松洋子) 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50261524)
島内 英俊 東北大学, 歯学研究科(研究院), 名誉教授 (70187425)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 血糖値 / 埋め込み / チタン / 無線通信 / 生体センシング |
研究実績の概要 |
本研究で開発する歯周組織埋設型血糖値モニタリングは従来の持続型血糖値モニタリング(CGM)とはコンセプトが全く異なるものである。従来型CGMはまさしく血糖値モニタリングを主目的に適用されるもので、健保適用対象は糖尿病の既往のある患者に限定されている。しかし本来CGMによる血糖値コントロールを行うべきはすでに糖尿病を発症した患者よりもむしろ予備軍なのである。それまでは自分の血糖値を把握していなかった予備軍にとっては、糖尿病の発症に至る手前で、血糖値の変動を意識する機会が得られれば、症状の進行を抑止する強いモチベーションとなり、多くが糖尿病への境界前で踏みとどまることが期待できる。血糖値のコントロールが困難な糖尿病発症後にCGMを適用のはベストとはいえないだろう。CGMをその多くが糖尿病予備軍である歯周疾患有病者に適用することで、それらが糖尿病へ越境することが防止できることは、その最も有効な利用手段であると考えられる。 糖尿病予備軍へのこのようなCGMの予防的適用の効果は最も望ましいとはいえ、実際のところ患者の立場からは、その理由のみでCGMを受け入れる決断をするのは躊躇するだろう。現状のCGMは多少なりとも生活に影響するし、導入時には多少の苦痛も伴う。そこで本研究では、歯周治療の機会を得て、苦痛を伴うことなくCGMデバイスを口腔内に受け入れる手法を念頭に、CGM装置を膜状に配置する手法の基板となる25ミクロン厚の多孔純チタン薄板を開発した。すでに皮膚装着型CGMは500円硬貨サイズで利用できることから、このチタンメンブレンに血糖値計測回路を搭載することで、歯周組織再生治療における外科手術の際に歯周組織内に導入する事が可能となる。糖尿病予備群の大半は歯周疾患有病者に該当することから、歯科治療と血糖値管理をリンクして糖尿病予防を社会に広く流布できることとなるだろう。
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