本研究では、超臨界流体クロマトグラフィーに質量分析計を接続した新しい分析システム(SFC-MS)を構築し、血漿・血清中の代謝物を分析できるようなシステムを構築することを目的とした。SFC-MSは、本来、脂質などの疎水性分子の分析に有用であるが、血清・血漿中には疎水性分子のみならず、様々な種類の親水性分子が存在することから、親水性分子も分析可能な条件も決定し、ヒト血清中代謝物を分析できる条件を見出した。さらに、生体試料である血清の分析、ならびに、その評価も可能であることを確認できた。これらの結果は、SFC-MS分析は、将来的に、疾患診断システムとして応用可能である可能性を示唆している。
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