研究課題
本研究により開発する新規内視鏡用画像診断支援システムの基礎は、ハイパースペクトルカメラ(HSC1701;エバジャパン)を用いた大腸ポリープや大腸癌の光学的波長変化の網羅的解析にあり、大腸癌固有の波長変化を同定し、これを客観的な指標とすることで、医師の経験に依存しない高い診断精度をもった内視鏡システムを確立することが可能である。大腸内視鏡症例30例および消化管腫瘍切除症例25例を対象とし、大腸内視鏡症例においてはベビースコープを介して鉗子孔より撮影、切除症例の手術標本においては偏光レンズを用いて直接撮影を行った。正常組織と腫瘍組織(癌部)に光学的な差異を調べ、データを統計学的に解析を行った。その結果、大腸内視鏡における癌部・非癌部の分光特性は、大腸内視鏡症例においてヘモグロビンによるものとは独立した吸収帯の存在を500nm近傍に認めた。さらに、切除標本においても同様の吸収帯の存在を認めた。500nm近傍の吸収帯出現が、酸化ヘモグロビンに相関があるのかについて相関分光法を用いて検証を行ったところ、550nmと500nmの分光変化はそれぞれ独立したものであり、本研究における500nmの分光変化が酸化ヘモグロビンに依存するものではないことが明らかとなった。本研究における500nmの分光変化は、既知のものとは異なる新しい分光特性である可能性が示唆された。分光変化を生じる要因として、腺構造の増生等の組織構造の変化、構造異形さらには腫瘍特異的な蛋白質の増加などが考えられる。次なる課題として、顕微分光、質量分析等を行い、この500nmにおける変化の裏付けを行ってい<ことが挙げられる。
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