研究課題/領域番号 |
25560247
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
中岡 竜介 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (20291114)
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研究分担者 |
植松 美幸 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 主任研究官 (10424813)
梅津 光生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90132927)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ステントグラフト / 回転量 / 生体外評価試験 / 拍動循環回路 / シミュレータ |
研究実績の概要 |
ステントグラフトの留置時の回転量を評価する上で,拍動流の影響の考慮は重要である.そこで,拍動循環シミュレータは 空気圧駆動装置(VCT-50,NIPRO)を駆動源として用い,人工左室の駆動条件,拍動数及び収縮期比率,オーバーフロータンクによる左心房圧の前負荷5 mmHg,弓部三分枝及び腹部大動脈に取り付けた抵抗等の設定により,拍動流,拍動圧の模擬が可能な装置とした.また,腹部大動脈モデルの右大腿動脈部には漏れ防止弁付のシース挿入口を接続しシースの挿入及び拍動流下で大動脈瘤モデル内でのグラフトの展開,留置が可能な機構とした. ステントグラフト展開実験では,文献値より各血管の目標平均流量を上行大動脈5.0 L/min,下行大動脈3.5 L/min,腕頭動脈0.76 L/min,左総頸動脈0.37 L/min,左鎖骨下動脈0.37 L/min,大動脈圧を実際の全身麻酔管理下の数値80 mmHgとし,拍動数70 bpm,収縮期比率35 %,作動流体を0.9 %生理食塩水とした拍動流環境下でグラフト展開を行った. 拍動流下での展開開始時,展開終了時のグラフト先端位置に印をつけ,血管モデルをMDCTで撮像した. 撮像データを基に3次元画像構築ソフトで血管モデルの3Dモデルを構築しグラフト回転量の算出を行った.血管内のグラフト回転量は血管中心と展開開始点及び血管中心と展開終了点のなすベクトルのなす角度と定義した. 拍動のタイミングを利用しながらの回転を示すことが可能となり,性能評価のためのシミュレータのプロトタイプができた.血管モデルを解剖学的な拘束条件にもとづいて拘束したときと,非拘束のときとで血管内回転量は平均15.4±3.1 °,38.7±13.8 °(n=6)となった.拍動流の影響によるグラフトの回転量を評価する上では,拘束条件も十分に検討した上でモデルを作製する必要がある.
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