研究課題/領域番号 |
25560248
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研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
宮本 義孝 独立行政法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, リサーチアソシエイト (20425705)
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研究分担者 |
池内 真志 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (90377820)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 細胞 / クラスター / 磁性ナノ粒子 / マイクロデバイス / 移植医療 / 細胞医療 / 毒性評価 / 医療技術 |
研究実績の概要 |
本研究では、磁性ナノ粒子を用いたコンビナトリアル・セルクラスターによる評価システムを構築することを目的とする。具体的には、①デバイス内で、様々なサイズの移植細胞・組織体を一度に作製する。②作製した移植細胞・組織体に対して、磁性ナノ粒子を添加・標識時における毒性を評価する。 1年目、PDMSから成るデバイスTASCLを作製した。特徴として、①一度の細胞播種操作で、均一かつ大量のクラスターを形成できる、②TASCL底面の培養皿を自由に選択できるなどが挙げられる。本研究では、コンビナトリアル型、同型TASCLの2種類を用いた。 本年度は、引き続き、コンビナトリアル型を用いて、①底面の培養皿の選定、②クラスター形成、③クラスター機能、④実験の再現性を評価した。マウス初代肝細胞で検証した結果、①ポリスチレン培養皿上でクラスター形成が可能である、②φ100-200μmサイズのコンビナトリアル・クラスターが創製できる、③各々のクラスターで生細胞が観察され、アルブミン値も測定可能範囲である、④再現性を示すことが確認できた。 さらに、クラスター形成率を向上するために、非接着性培養皿上にデバイスを設置し、HepG2細胞による検証を行った。クラスター形成率、回収率ともに100%に近く、初期播種密度の増加に伴い、ウェル内のクラスターサイズも増加した。さらに、走査電子顕微鏡より、クラスターは球状構造(φ223μm)を有し、肝機能としてアルブミン値も測定可能範囲内であるため、本システムの有効性を示せた。 また、同型TASCLを用いて、磁性ナノ粒子を添加・標識したセルクラスターを創製した。結果、TASCL内でのクラスター形成が確認でき、クラスターの生細胞が観察され、肝機能を有することが確認できた。また、in vivoにおける磁性ナノ粒子投与実験を行った結果、非投与群と比べて、有意な差は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、磁性ナノ粒子を用いたコンビナトリアル・セルクラスターによる評価システムを構築することを目的とする。1年目は、① デバイスの作製、② デバイス内でのセルクラスター形成について検証した。2年目は、作製したデバイスを用いて、セルクラスターを用いた評価システムの有効性、および、本システムの再現性について検証した。結果、作製したデバイス内での、① セルクラスター形成率および回収率の再現性、② デバイス内の培養液より、肝機能としてアルブミン値の測定が可能範囲内であることが確認できた(Miyamoto Y, Ikeuchi M, et al. Cell Medicine, 2015; Cell Medicine accepted)。 また、セルクラスター評価システムを用いて、磁性ナノ粒子の添加・標識実験を行い、クラスター形成率、回収率、生死判定について、有益な結果が得られた。3年目は、当初の予定通り、磁性ナノ粒子を添加・標識したセルクラスターによる毒性・機能評価、および実験の有効性・再現性を確認して、セルクラスターによる評価システムの構築を行う。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の研究の推進方策として、磁性ナノ粒子を添加・標識したセルクラスターによる評価システムの有効性、および、再現性を基本方策として研究を推進する。具体的には、1-2年目で得られた結果をもとに、セルクラスターの毒性・機能評価項目(生死判定、肝機能(アルブミン分泌能、テストステロン6β位水酸化活性(CYP3A4活性)等)から実験の有効性・再現性を検証し、医療技術として有益かどうか評価する。本研究は、連携研究者、研究協力者に参画いただき、相互に協力・連携しながら検証を進める。 ヒト細胞を用いることに対する倫理的配慮: 本研究では、ヒト由来細胞および実験動物を用いた研究が予定されている。機関の外部委員を含めた倫理審査委員会において生命倫理、安全管理を厳重に審査する。倫理委員会の承認かつ実施施設の長の許可を得て、全ての研究を遂行する。国立成育医療センター研究所においては、ヒト間葉系細胞の培養に関し、研究面において既に倫理審査を受け、承認を受けている。また、それぞれの組織については倫理的な手続きおよび考え方が年次毎に異なると予想され、「ヒト幹細胞等を用いる臨床研究に関する指針」に従い、最新の社会的な影響を十分に考慮する。なお、研究協力者に倫理専門家を加え、本研究遂行にあたって新たな倫理的問題が生じないよう、常にモニタリングを行い、必要に応じて意見交換を行う予定である。 実験動物を用いることに対する倫理的配慮:実験動物を用いる研究については、国立成育医療研究センター動物実験指針に準拠して研究を実施する。特に、動物愛護と動物福祉の観点から実験動物使用は、目的に合致した最小限にとどめる。またその際、麻酔等手段により苦痛を与えない等の倫理的配慮をおこなう。実験者は、管理者と相互協力のもと適切な環境のもと飼育管理を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞形態評価の全てを行うことは難しく、高度な専門技術を必要とするため、細胞サンプルのTEM(透過型電子顕微鏡)分析を依頼することにした。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞サンプルを再調整し、業者にTEM(透過型電子顕微鏡)分析を依頼する。
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