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2014 年度 実施状況報告書

ハイパーソニック効果を応用したストレス関連障害の治療効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25560251
研究機関筑波大学

研究代表者

森田 展彰  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードハイパーソニック / 音楽療法 / 自律神経機能 / ストレス
研究実績の概要

大橋力らは、可聴域以上の高周波成分(ハイパーソニック以下HSと略す)を含む音環境が、人間の心理に大きな影響を及ぼしていることについて多くの実証的な知見を重ねてきた。具体的には、HSを多く含む音楽を聞かせることで、コルチゾールの有意な低下、免疫能を示すNK細胞活性が有意な増加や脳波におけるα波成分の増大を生じることをも見出し、さらには脳画像所見にて視床下部における脳血流が増加を示すことを実証している。本研究では、HSの効果を精神健康の向上に与える効果を実証することを目的としている。平成26年度には、HSは短期的な効果は確かめられているが、継続的な掲示により長期的な精神健康の向上させる効果をもつか否かをまずは健常人で確認する研究をおこなった。具体的には健常者6名に対して、3時間の作業を行う間に、1か月HSを含む音響を提示し、その間の心理状態や自律神経機能(心拍変動による交感神経活動と副交感神経活動)を評価した。これを提示前の時期の2週間および提示をやめた後の2週間と比較したところ、HSを含む音響を与えた時期はそうでない時期に比べて、HRVのHFという副交感系活動の指標が増大する変化を認める者が多いことが確認された。但し、被験者全員ではなく、異なるパターンの者も少数ながら存在したが、これには各人の置かれている生活状況も影響していると思われた。これにより、HSを含む音響が1カ月程度の長期的にも精神健康の向上に与える可能性が示唆された。また被験者に負担を与えない音響提示の手法や生活環境要因の統制が必要なことが確認できた。現在はこの健常者への実験を、ストレス関連の精神症状のある患者に応用する実験を計画中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一般健常者の研究でハイパーソニックの長期的効果が確認できて、測定のプロトコールも確認できた点は進んでいる。精神的な問題をもつクライアントへの応用についてフィールドの探索に時間がかかったため、少し遅れている。

今後の研究の推進方策

研究に協力いただける精神的問題をもつ患者のフィールドを確保できたので、そうした被験者に対する研究を今後ペースを上げて進めていきたい。

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公開日: 2016-05-27  

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