糖尿病では糖化最終生成物(AGEs)の蓄積と、その受容体(RAGE)の相互作用が組織障害を来すとされているが、糖尿病性腱障害の病態は未だ解明されておらず、運動が糖尿病腱に及ぼす影響も不明である。そこでⅡ型糖尿病を自然発症するSDT fatty ラットで解析を行った。ケージ飼育したSDT Fattyラット棘上筋腱ではAGEsのひとつペントシジンとRAGEの発現が増強していたが16週の運動負荷後、棘上筋腱におけるRAGE遺伝子発現はケージ飼育の約50%に低下していた。以上よりペントシジン沈着とRAGEの発現増加が糖尿病に合併する腱障害の病態の一つであり、運動療法は腱障害を予防しうる事が示唆された。
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