研究課題/領域番号 |
25560272
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
白石 純一郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (20525430)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 横隔膜麻痺 / 脳卒中急性期 |
研究概要 |
健常人において横隔膜の運動は安静時換気の60~70%を占めており、呼吸を行う上で最も重要な働きをする筋肉である。脳卒中急性期において呼吸不全や誤嚥性肺炎は一般的な合併症であり、中大脳動脈領域の脳卒中急性期に横隔膜麻痺を生じ、重大な呼吸不全や誤嚥物の喀出不良による肺炎を生じる可能性もある。現在まで脳卒中後の横隔膜の運動障害に関して報告は少ない。 今回一側の中大脳動脈領域病変により横隔膜麻痺を生じるとの仮説を立て、この横隔膜麻痺の存在を確認するために多目的X線画像診断装置(SHIMADZU製Sonialvision SafireII)により横隔膜の動きを透視下に評価し、横隔膜麻痺が呼吸機能や咳反射に影響するかをスパイロメータ―、クエン酸咳テスト、腹筋筋力などにより検討することにした。これらの検査や測定により、中大脳動脈領域の血管病変による横隔膜麻痺の有無、咳反射に及ぼす影響を明らかにする。 本年度13名の患者に当研究を行い、安静換気時において横隔膜移動距離は麻痺側10.44±3.89mm、健側9.87±2.95mm.強制換気時において横隔膜移動距離は麻痺側34.18±14.77mm、健側31.55±12.35mmであった。また軽度~中等度の患者と重度患者において横隔膜の動きに有意な差は認められなかったため、現段階では中大脳動脈領域の血管病変によって横隔膜に麻痺が生じている可能性は低いと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数は順調に増えており、今後はコントロール群も徐々に集めていく。
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今後の研究の推進方策 |
横隔膜麻痺の存在が確認できない場合は、脳梗塞患者の横隔膜の動きの特徴など得られたデータを吟味し新たな発見を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表が一つであったため、旅費が余剰となった。 雑費が必要以上にかからなかった。 海外での学会発表、もしくはデータ整理費用を主として考える。
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