様々な神経疾患の中で炎症反応は病態進行の重要な要素である。圧迫性脊髄症においてもこうした炎症反応の関与が考えられるが、その病態は明らかではない。本研究ではアストロサイトの炎症反応における機能を検討した。 中枢神経の炎症反応モデルとして脊髄圧迫モデルは精度の問題があったため、主に薬剤誘導性脱髄モデルを用いた検討を行った。アストロサイトは炎症とともに活性化し、細胞内シグナル分子Erk2を阻害することで炎症反応の軽減が得られた。さらに細胞培養の検討からミクログリアから放出されるケモカインCCL2がアストロサイトを活性化する可能性が示唆され、治療介入のターゲットになりうると考えられた。
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