本研究では、片麻痺患者の病態を評価する新しい定量的パラメータを探索し、以下の5個の機能的パラメータを新たに見いだした。1)予測制御の精度、2)フィードバック制御器の精度、3)筋の同時活性化の程度、4)筋の共同運動の程度、5)microstepsという新たに発見した異常運動成分の量の5個である。さらに、これらのパラメータにより、片麻痺患者の病態を、高次元の脳病態空間における座標として見える化し、長期の病態追跡に有効であることを示した。今後はこの脳病態空間法を用いて、片麻痺患者の病態追跡を大規模に行い、回復パターンのデータベース化および分類に取り組み、片麻痺治療の革新に取り組んで行きたい。
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