本研究提案では、触覚・聴覚系のヒューマンパフォーマンスモデルを構築し、触覚・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報支援システムの開発を目標としている。このため、(1)健常人およびその擬似盲、さらに全盲者を対象とし、ヒトの情報処理過程を「知覚システム」、「認知システム」、「運動システム」の3つの機能に分けて測定し、ヒトの思考・理解・納得のプロセスを分析し、行動の定量的予測を行うこと、さらに、(2)この客観的計測結果と触覚および聴覚刺激に対する嗜好性の数値的評価スケール(マグニチュード推定法)による11段階評価の結果から、触覚・聴覚系における感覚・身体イメージの規格化を行うことを目指した・ 平成27年度は、全盲被験者の協力を得て、NIRSを用いて触覚刺激による脳賦活検査を行い、これまで健常ボランティアの開眼状態と閉眼状態(擬似盲)で得られた結果との比較のもとで、全盲者の情報処過程のメカニズムを検討し、触覚・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報支援システムの開発基盤つくりをめざした。
|