研究課題/領域番号 |
25560286
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
永野 靖典 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30380372)
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研究分担者 |
石田 健司 高知大学, その他部局等, その他(教授相当) (10274367)
王 碩玉 高知工科大学, システム工学群, 教授 (90250951)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 不得意移動方向 / ステップ運動 / 動的バランス評価訓練機器 |
研究実績の概要 |
我々は、移動動作を左右・前後の動きに分解して評価できる機器を製作し、移動動作で時間のかかった方向を検出できる機器(不得意移動方向検出機器)を開発した。シルバー人材センターを通じて被験者を募集し、不得意移動方向等を評価した上で、個々の不得意な移動方向に特化した訓練を行わせ、個々の不得意な移動方向への移動時間の短縮、訓練中のよろめき頻度、下肢運動機能変化等に関して検討した。 開発した機器を使い、不得意方向に特化したステップ訓練を実施した。対象は、平均年齢71歳、男性2名、女性3名の計5名である。訓練前後には、個々の不得意な移動方向への移動時間の短縮、訓練中のよろめき頻度、HHDを用いた下肢筋力評価(大腿四頭筋、中殿筋:N)、単脚直立時間の下肢運動機能評価を行い、その介入前後の変化を検証した。運動介入する不得意な方向の設定には、健康寿命を悪化させる大腿骨近位部骨折につながる左右の転倒に注目し、左右の移動方向の時間差を用いた。運動介入は、全8方向に合計100回移動させることとした。その中で不得意な方向と設定した左右のどちらかを30回移動するように運動介入(その他の8方向は10回ずつ)し、より不得意な移動方向に特化した訓練とした。訓練は、1 回約5 分、週2回、3ヶ月間とした。 介入訓練の結果、左右の不得意な移動方向への移動時間、訓練中のよろめき頻度、下肢運動機能において、いずれの平均値も向上を認めた。 そのメカニズムとして、①ランダムな指示に従い素早く移動を繰り返す運動負荷②全8方向への荷重移動(前方移動時の大腿四頭筋遠心性収縮)③左右移動に特化した股関節への運動負荷(股関節の外転運動)④運動への慣れにより反応性向上および下肢筋力向上がえられ、転倒につながるよろめき回数の改善が得られたと考える。
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