転倒の動的バランス評価としてFour Square Step Testが報告されているが、評価は4つの升目を2往復する時間測定のみである。我々は、移動動作を周囲8方向の動きに分解し、より時間のかかった方向を検出できる機器を開発した。更に、不得意な移動方向に特化したランダムな移動訓練も可能にした。 25名の対象者に行った介入訓練の結果、転倒に繋がるよろめき頻度の減少、不得意な方向への移動時間の短縮、下肢筋力の向上が確認された。周囲8方向へのランダムな素早い荷重移動により下肢筋力や移動時間が向上したと推測された。下肢筋力は転倒リスクに最も影響しており、その向上がよろめきの減少に繋がった可能性がある。
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