運動を行う際に、事前に行った動作による感覚情報及び動作の生成に関わった情報を、後の動作の生成に利用すると考えられ、この身体性に関わる作業記憶が重要な役割を持つであろうと推測される。 本研究では、アルツハイマー病(AD)発症に伴う作業記憶の障害が歩行時の障害物回避動作に与える影響をAD発症に伴う神経病理学的変化との関係から明らかにするため、マウスを用いた新たな障害物回避歩行課題を構築した。3xTg マウスはAD発症により障害物回避課題を行う際に後肢の接触率が高いこと、歩行時の後肢の制御に重要な役割を果たす作業記憶を評価した結果、AD発症後の3xTgマウスにおいて顕著な作業記憶の障害が判明した。
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