研究課題
一般的な検査で評価が難しい運動競技者の優れた感覚能力や神経系疾患の特徴抽出に対して有用な検査・診断システムを開発することを目的として研究を行った。平成25年度は触力覚、視覚、聴覚を提示可能な触力覚・3Dバーチャルシステムを利用した、マルチモーダルな情報処理特性を調べる事の出来る、簡便で非侵襲な検査・診断システムの開発を中心に行った。外部先行研究は、1台のモータからの力出力装置と制御用のジョイスティックを用いたシステムによって、感覚の減衰を評価するという、簡単なシステムであったが、本研究は3Dモニタと触力覚装置(最大7.9N、力分解能0.1N、位置座標分解能0.023mm)を用いる事で、視覚情報と触力覚情報を統合した環境を構築することが出来た。また、正常な被験者を用いて、感覚マッチングシステムの計測を行った。従来の感覚マッチングシステムは、手の指のみの計測しか出来なかったが、足の指なども計測できるシステムに拡張することが出来た。これによって、球技系の運動競技者と心因性ジストニア患者の評価手法を開発・モデル化を行うことが可能となった。正常被験者を用いたコントロール実験の結果、足の指においても手と同様に間隔の減衰を示すことが明らかとなった。ただし、手と足の示す感覚の減衰の傾向が違うことから、さらに研究を推し進めることによって運動感覚、運動制御に関する重要な知見が得られると予想される。平成26年度は、球技系の運動競技者を対象として重要な基礎データを取得することが出来た。運動スキルの求められるサッカー選手の足指(細かい足の運動技術は、通常の人には馴染みがない)の感覚の減衰において健常者と異なる傾向を示すことが明らかとなった。
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Brain
巻: 137 ページ: 2916-2921
http://brain.oxfordjournals.org/content/137/11/2916