研究課題/領域番号 |
25560300
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
板谷 厚 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40649068)
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研究分担者 |
遠藤 卓郎 筑波大学, 体育系, 教授 (20134249) [辞退]
木塚 朝博 筑波大学, 体育系, 教授 (30323281)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東洋的身体技法 / 呼吸法 / 気分 / 姿勢制御 / 足圧中心軌跡 / ストレスマネジメント / コンディショニング |
研究実績の概要 |
それぞれの東洋的身体技法で実践されている呼吸法には独特の作法や哲学があり時に複雑で難解である.その一方でそれらに共通する行い方や意識の持ちようもある.25年度は,簡便な呼吸法の教授法の確立と作法の簡略化を行った.さらに,確立した教授法を用いて,授業受講者を対象者として呼吸数と気分の調査を行い,確立した呼吸法を実施することによって,自然な呼吸に比べ呼吸数が減り快適度が増すことが明らかとなった.快適度の増加は,生理的ストレスの軽減と関連しており,この呼吸法のコンディショニング法やストレスマネジメント法としての有用性を示唆するものである.呼吸法の教授方法が確立され,その効果が確認されたことで,学校教育やスポーツの現場への普及に向けての足がかりができたと考えられる. 上記の呼吸法の確立と並行して,呼吸法の姿勢制御に及ぼす影響についても検討を進めた.立位姿勢で上記の呼吸法を行い,その時の足圧中心軌跡を分析した.その結果,我々のこれまでの研究成果と一致して,自然呼吸時と比較して,呼吸法実施中には足圧中心軌跡の不規則性が増加することが明らかとなった.この結果は,呼吸法の実施によって自動的姿勢制御が促進されたことを示し,本研究の仮説を支持するものである. 26年度は,呼吸法の実施中に促進される姿勢制御の自動性が持続的なものかを検証する実験を実施した.具体的には,呼吸法実施の前後での姿勢制御の自動性の変化を捉えようと試みた.足圧中心軌跡だけでなく,モーションキャプチャシステムによって,身体部分の動揺の関係性から,呼吸などの生理作用によって不可避的に生じる身体動揺を相殺する様相を捉えるための分析方法を検討中である. 今後は,実験で得たデータの分析を進めるとともに,学会や論文にて研究成果を発表していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画のとおり,初年度に呼吸法の簡略な教授法を確立することができた.姿勢制御の自動化の評価については,足圧中心軌跡の分析法が確立でき,呼吸法実施中の変化を確認した.その一方で,3次元モーションキャプチャシステムの導入が計画より遅れた.現在は,モーションキャプチャシステムの導入は完了し,実験を実施しているが,運動学的な評価指標を確立するまでには至っておらず,実験データの解析が滞っている.8月中には解析を完了させ,9月には学会発表および論文の執筆に取りかかる.
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今後の研究の推進方策 |
27年8月までに呼吸法による姿勢制御の自動化促進の運動学的評価指標を確立し,実験データの解析を完了し,追加実験の必要性を検討した後,実験実施ならびに論文執筆にとりかかる.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験補助者および被験者の謝金として確保していたが,被験者都合により実験が延期になったため.
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次年度使用額の使用計画 |
実験補助者および被験者に対する謝金として使用する.
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