本研究の目的は、体育やスポーツの指導において感覚的な目標像を伝える動感呈示の能力性を明らかにするものである。学習者が上手く動くことができないとき、その理由に気づくことは容易ではない。指導者はその理由を代行的に把握する必要に迫られる。そこに不足する「動く感じ(ヒュレー)」は、様相化分析によって読み解くのであり、学習者の情況に即した感覚素材が呈示できる。このプロセスをたどる能力性が学習者の上手くできない理由と通底する。それ故この動感呈示能力を駆使することが、動物の調教的指導や欠損する要素をはめ込む指導とは対極に置かれる指導のあり方を可能にするのである。
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