競技者用のトレーニング器具として、自転車エルゴメーターやトレッドミルが用いられている。自転車エルゴメーターでは、一定負荷(こぐ重さ)に対して競技者が回転数を調節することによって自由に運動強度を選択できるが、現在、競技者の走行スピードの変化に合わせてスピードを調節できるトレッドミルはない。走行者のスピード変化に素早く対応できるトレッドミルができれば、室内における走行距離をベースにしたパフォーマンステストやこれを利用しての新しいトレーニング法開発も可能となる。 筑波大学環境制御室内に設置されている競技者用トレッドミル(西川鉄工製、スピード0~500m/分、1978年製)の内部制御回路を解析し、昨年製作した速度・傾斜制御装置本体に、走行距離信号解析回路を組み込み、走行距離の正確な表示、測定を可能にした。この走行距離信号を、ノートパソコンに取り込めるようにUSB出力回路を製作し、パソコン上での取り込みソフトをVisual Basicにて作成した。0~500m/分内での走行スピードで、トレッドミル制御パネルに表示されている走行距離メーター出力と、パソコン上で計測されている走行距離との一致度を確かめた。 以上の開発によって、0~500m/分内での走行スピードにおいて、競技者が走行中に自分のスピードや走行距離を前方のコンピューターディスプレイに表示しながら、両手に握ったリモコンで自由に走行スピードを変化できる、システムを完成させた。
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