研究課題/領域番号 |
25560314
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
酒井 直隆 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90235119)
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研究分担者 |
嶋脇 聡 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10344904)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 動作解析 / 服地 / ひずみゲージ / スポーツ動作 |
研究概要 |
服地内にひずみセンサを組み込んだ動作解析ウェア開発のための計測原理の検証,センサ種類・位置の決定のための基礎実験を行った. はじめに服地内センサの計測原理と精度の検証のため,網タイツの表面に繊維にひずみゲージ(ゲージ長:1mm)をシアノアクリレート系接着剤で取り付け,繊維の変位に伴うひずみセンサからの電位をセンサインタフェースであるPCDとデータ収録ソフトウェアDCS-100A(共和電業社製)を用いて計測した.その結果,繊維の変位に対するひずみゲージからの電位に線形性があり,測定原理としての有効性が確認できた. 次に被験者10人に服地内センサを取り付けたスーツを装着させ肘関節の屈曲・伸展動作の二次元動作解析を行った.スーツに使用する繊維は二種類,スポーツ用サポーターと標準的な網タイツを比較する.このスポーツ用サポーターは,ポリエステル,綿,ポリウレタン素材を緯編(ループをたて方向に連綴させたもの.布地を形成する方向は横に進む)の丸編機(編み地が筒状に編みあがる)にて天竺編み(1列の針で編み目をすべて同方向に引き出して編まれた緯メリヤスの基本組織)とゴム編み(2列針で表目と裏目のウェールを交互に配列した組織)組織を採用した編み方で構成される.また,使用するひずみセンサはゲージ長1mm, 30mm, 120mmのものとし,センサ位置は肘関節周辺とし,ゲージ長とセンサ位置による計測の安定性について検討した. その結果以下の結論を得た.(i)腕の屈曲・伸展動作では肘関節付近へのセンサを取付けた方が安定した測定が可能.(ii) ゲージ長30mmのひずみゲージは腕の屈曲・伸展動作の大きな動作の測定を行う際に有効.(iii) スーツに用いる服地は,引張強度や耐久性に優れるサポーターの方が網タイツより安定した計測が可能.(iv)肘関節屈曲角度の増加に伴い,ひずみ量も線形的に増加し,服地内センサによる動作解析の有用性を確認することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り実施できており、相応の結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
肘に続いて肩関節および手関節の歪みゲージ位置を決定する。肩関節では屈伸、内外転、内外旋センサを設置する。服地の繊維強度の問題から各関節のセンサ設置は独立して行い、ビデオによる動的な精度検証を終了後、複数の関節に同時にセンサを設置して、上肢全体の解析システムを完成する。また、服地素材の伸縮が被験者の動作をどう忠実に再現しているか、特に皮膚表面上を服地素材が滑走する「ずれ」の問題の、計測精度への影響について検討する。
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