研究課題/領域番号 |
25560325
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
吉武 康栄 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (70318822)
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研究分担者 |
金久 博昭 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50161188)
宮本 直和 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 准教授 (20420408)
高井 洋平 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 講師 (20574205)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 筋電図 / 共収縮 / 相互相関関数 / common drive / 脊髄反射 |
研究実績の概要 |
今年度においては,音フィードバックのもとになる筋電図の特性を明らかにすることを目標に,様々な信号処理とその処理法の妥当性について検証を行なった.特に,筋力トレーニングなどの高強度での筋収縮時において認められる拮抗筋の活動,つまり,共収縮時の筋活動特性を検証した. 相反性抑制があるため,主働筋が活動した際は,拮抗筋の活動が抑制される.一方で,四肢の安定性(stabilization)が求められた場合は,随意的に主働筋・拮抗筋の同時活動(共収縮)が求められため,脊髄レベルの相反性抑制(脊髄反射)に加えて,中枢レベル(大脳運動野等)での筋活動制御の成分が筋電図には含まれるはずである.そこで,中枢レベルでの制御と言われている共通命令入力=common driveの周波数帯域である3Hz以下,および,相反性抑制=Ia活動の周波数帯域である3-15Hz帯域の2つに全波整流した筋電図信号を分離した.その後,主働筋と拮抗筋間の筋活動リズムの時間空間的相互関係を検証するために,分離した周波数ごとに,筋電図信号の相互相関関数を算出した.その結果,3-15Hz帯域では,主働筋-拮抗筋間で相互相関関数の明確な負のピークが認められた.これは,相反性抑制のよる筋間の抑制が存在していることが改めて確認できたことを意味する.一方,3Hz以下の成分においては,相互相関関数の明確な正のピークが認められた.これは,主働筋-拮抗筋は,随意的な共収縮時には,時間空間的に筋活動リズムが同調していることを意味する.したがって,筋電図の信号処理をする際は,脊髄反射の成分および中枢での制御成分に分離する手法を用い,それぞれの神経・筋制御機構を考察する必要があると言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
筋電図の波形処理の方法の決定および妥当性の検証に関し,当初の予定よりも時間がかかったため,研究の進行はやや遅れていると言わざるを得ない.
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今後の研究の推進方策 |
筋電図処理法が決定したため,今後は速やかに研究が進むと考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究員の雇用に関し,別の研究費より賄えたため
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次年度使用額の使用計画 |
今年度も雇用を継続する研究員のための人件費に充てる
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