本研究の目的は、オープンスキルを要する特定のスポーツ状況において、対戦する競技者間の「駆け引き」及びチームメイトとの「連携」に焦点を当て、複数の競技者の視覚的行為(Visual behavior)を同時に記述することである。例えば、サッカー競技中の1対1状況において、ボール保持者(攻撃選手)とディフェンス選手(守備選手)の「駆け引き」について、身体的な記述ではなく、そのパフォーマンス(勝敗)に影響する要素を、視線移動パターンから記述することである。さらには、チーム・グループ戦術で重要となるチームメイトとの意思の疎通(アイコンタクト)のタイミングやグループとしての状況の把握・共有についての知見を深める。 平成25年度(STEP1)では、対人スキルを要する最小の状況として、サッカーの1対1状況を設定し、攻守の両者について同時に眼球運動を計測する実験を実施した。 平成26年度(STEP2)では、攻撃状況にある同チーム内での複数選手の眼球運動を計測し、選手間でパス交換が成立する際の視線移動パターンを記録した。
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