本研究の目的は,筋細胞内のミトコンドリア挙動をバイオイメージングによってin vivo条件で観察することであった.平成25年度において,ミトコンドリアへのマーキング(刺激前後での位置の特定)が可能であるKaede蛍光タンパクをミトコンドリアに局在させることを試みた.チトクロームCサブユニットVIIIのミトコンドリアターゲティングシグナル配列を用いて,KaedeのN末端側に配置したプラスミドベクターを筋線維にマイクロインジェクションによって導入することに成功した.平成26年度は,in vivo環境において,Kaede蛍光タンパクを導入した筋線維を紫外光を用いてミトコンドリアをマーキングすることを試みた.紫外光の強度,時間などの様々な条件下による検討を実施したが,ミトコンドリアの同定には至らなかった.今後,in vivo環境の筋線維において,Kaede蛍光タンパクの導入,ミトコンドリアへの移行,紫外光によるラベリングなどの条件設定を再検討する必要性がある.
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