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2013 年度 実施状況報告書

市民・患者と医療多職種の”カフェ型”ヘルスコミュニケーションモデルの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 25560348
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京大学

研究代表者

孫 大輔  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40637039)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードヘルスコミュニケーション / ワールドカフェ / 変容的学習 / 共分散構造分析
研究概要

1. 背景と目的:情報の非対称性やコミュニケーション機会の不足、不正確なネット情報の氾濫など、医療系専門職と市民・患者間のヘルスコミュニケーションにおける現代的課題を克服する一手法として、カフェ型の対話アプローチ「カフェ型ヘルスコミュニケーション」が注目されている。しかし、カフェ型ヘルスコミュニケーションが参加した個人にどのような効果を及ぼすのか検証した報告は少ない。本研究では、カフェ型ヘルスコミュニケーションにおいて参加者に変容的学習プロセスが起きているかを測定し、学習の帰結(他者への理解、ヘルスリテラシーの向上、専門職側の患者・利用者への意識変容など)との関連を検討する。
2. 方法:変容的学習や帰結概念に関する計72項目からなる質問紙を作成した。カフェ型ヘルスコミュニケーションの参加者357名を調査の対象とし、ウェブアンケート調査をメールにて回答依頼した。統計解析ソフト SPSS 22.0, Amos 22.0を使用し、変容的学習に関する質問項目に関して、探索的因子分析を行った。その後、共分散構造分析による確認的因子分析を行った。その後、共分散構造分析を行い、概念間の関連を検討した。
3. 現在までの結果:医療系専門職と市民・患者を含む141名より回答を得、変容的学習に関連する概念を共分散構造分析によって分析した。統合モデルの分析によって、対話において「多様な価値観と遭遇」したり「当事者のナラティブ」を聴くことで、参加者には「自己省察」や「パースペクティブ変容」などの変容的学習が起きていた。変容的学習の帰結として、立場の異なる「他者への理解」や、専門職の「患者・利用者への意識変容」が起きていた。
本研究によって、カフェ型ヘルスコミュニケーションによる参加者へのポジティブな効果が検証された。市民・患者と医療者の相互理解の促進のため、この実践を普及させていくことが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の研究計画として予定していた、カフェ型ヘルスコミュニケーションの参加者における学習とその効果に関する分析はほぼ終了した。

今後の研究の推進方策

2年目の研究計画であった、カフェ型ヘルスコミュニケーション活動のアクションリサーチについては、計画を若干変更して実施する可能性がある。地域基盤型参加型研究(CBPR)としての研究、あるいは、カフェ型ヘルスコミュニケーションと非カフェ型のアプローチとの比較分析などを検討している。

次年度の研究費の使用計画

当初の見積もりより安価に購入できたものがあったため。
2年目の研究のための消耗品購入費などに当てる予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Transforming health professionals’ attitudes toward patients and clients by Café-style health communication2014

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Son, Kazuhiro Nakayama
    • 学会等名
      Association for Medical Education in Europe (AMEE) 2014 Conference
    • 発表場所
      ミラノ(イタリア)
    • 年月日
      20140830-20140903
  • [学会発表] 医療者と市民・患者のカフェ型ヘルスコミュニケーションは相互理解を進めるか?ー変容学習の共分散構造分析2014

    • 著者名/発表者名
      孫大輔、中山和弘
    • 学会等名
      第5回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20140510-20140511

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公開日: 2015-05-28  

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