研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では,カナダで新しく開発されたCREW(Civility, Respect & Engagement at Work)プログラム(職場の人間関係の向上(=同僚に対する丁寧さと尊重の促進)を通じて,職場の活性化を図ることを目的としたプログラム)に関して,(1)日本版CREWプログラムの開発,(2)日本版CREWプログラムの内容と構成について,日本の職場での適用可能性の検討,(3)日本版CREWプログラムの実施効果の検討,の3点を目的としている。平成25年度では,主に次の2点について成果を得た。1. CREWプログラムのマニュアルについて英語版を翻訳し,日本でプログラムを実施するための準備を整えた。翻訳に際しては,マニュアルが作成された米国と日本とでは就業状況が異なるため,日本での適用可能性について見直しが必要となった。2. コーディネーターとしての訓練を研究分担者(宮本)が米国にて受け,基本的な知識と技術を習得するとともに,日本で適用する際の助言を得た。主な助言として,プログラムやマニュアルの内容は,原版にこだわる必要がなく,職場の状況に合わせて柔軟に修正してもよいことが強調された。米国での訓練を通じて,プログラム作成者との良好な関係が構築・強化され,次年度のプログラム実施に向けた良好な環境が整えられた。3. CREWプログラムの試行職場としていくつかの職場に打診したところ,某大学病院の1つの病棟に協力を得ることが可能になった。これまでに,病棟の窓口となる看護師長と研究グループとの間で数回のやり取りを行い,平成26年6月から7月の間に,プログラムの実施開始を予定することとなった。
2: おおむね順調に進展している
1. CREWプログラムの実施に際して重要となるマニュアルについて,翻訳がおおむね完成したこと。2. 研究分担者が米国にてプログラムのコーディネートに関する訓練を受け,プログラム実施において必要な知識とスキルを習得するとともに,日本で適用する際の助言を得て帰国したこと。3. CREWプログラムの試行職場が決定したこと。
1. 日本語版トレーニングマニュアル(バージョン1)を確定する。その後,トレーニングマニュアル(バージョン1)の内容に関して,プログラムを実施する病棟スタッフやその他の協力者(事業所の産業保健スタッフ,人事労務担当者,経営者ら)から意見収集し,マニュアルの修正を行う(バージョン2)。2. プログラムの試行に関する倫理審査を申請する。3. 米国で訓練を受けた研究分担者(宮本)を中心に,対象職場のコーディネーターを訓練し,訓練を受けたコーディネーターが職場でのセッションを6ヶ月にわたって実施する。支援チームのコンパニオンは,コーディネーターとの定期的な打合せなどを通じて,コーディネーターを継続的に支援する。4. CREWプログラムの実施前後に参加者を対象とした質問紙調査票を実施し,その結果を解析することで介入効果を検討する。
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Journal of Business Psychology
巻: 29 ページ: 63-80
Industrial Health
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