鉄は我々の体に必須な微量元素である一方、過剰になるとフリーラジカルが発生し、発がんや動脈硬化を促進することが報告されている。本研究では、健常人における体内貯蔵鉄の至適量と血管内皮機能の関連があるか探索するために、20代~40代の有経女性49名を対象に血流依存性血管拡張反応(FMD)検査、体内貯蔵鉄(フェリチン)、血管内皮前駆細胞(EPC)等の測定を行った。併せて、簡易型自記式食事歴質問票(BDHQ)を用いた栄養調査も実施した。 単変量解析の結果、血管内皮機能には、血管径、身長と乳類摂取が有意な負の相関を認めた。体内貯蔵鉄の指標であるフェリチン及びEPCと血管内皮機能には関連は認めなかった。
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