本研究では有経女性の体内鉄貯蔵量と血管内皮機能の関係を明らかにするために、20-40代の女性を対象に体内鉄貯蔵量の指標であるsTfR(可溶性トランスフェリン受容体)/Log血清フェリチン比、血管拡張反応検査、血管内皮前駆細胞数、酸化ストレス等を測定した。単回帰解析の結果、sTfR/Log血清フェリチン比と血管拡張反応であるFMD(%)には有意な負の影響を、HbA1c(%)は有意な正の影響を与えることが明らかとなった。したがって、有経女性において、鉄欠乏になると血管拡張反応が低下することが示唆され、鉄欠乏という栄養欠損が血管内皮に負の影響を及ぼす可能性が示唆された。
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