研究課題
平成27年度は、鍼灸治療などによるリラクゼーション効果を統合的に評価する新しいプラットフォームを開発した。すなわち、自律神経機能を反映する呼吸数とNIRSによる前頭前野活動と同時計測し、ストレスによる自律神経活動と脳活動の関係を統合的に評価するシステムである。呼吸計測には3次元カメラ(マイクロソフト社製、キネクト)を用い、非接触で呼吸に伴う胸壁の変位を計測し、1分間の呼吸数を算出する。本法を用いて暗算課題時の呼吸数変化と前頭前野活動の左右優位性(Laterality Index)との関係を検討し、呼吸数は右側前頭前野活動が左側よりも優位なほど上昇程度が大きいことが明らかとなった(The 43th Annual Meeting of the International Society on Oxygen Transport to Tissueにて発表)。さらに、圧電センサーを用いた座布団型の心拍数と呼吸数のモニター装置を開発した。本装置を被験者の座る椅子に敷くことにより、呼吸・心拍変動に伴う微小な振動を感知しわれわれの開発したアルゴリズムにより心拍と呼吸の変化を分離して計測するものである。以上の方法は、ストレス反応を簡便かつ定量的に評価するものであり、鍼灸のみならずさまざまなリラクゼーション法の評価に応用できると思われる。次に、新たなリラクゼーション法として手話ダンスの効果について検討した。手話ダンスは曲に合わせて歌詞を手話で伝えながらダンスをするものである。STAI-1(状態不安)とNIRSによる前頭葉活動の左右優位性(Laterality Index)を手話ダンス(40分間)の前後に計測すると、統計学的に優位に状態不安度が低下し、また右優位から左優位のリラックスパターンに変化した(ISOTT2016にて発表予定)。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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