近年の大規模疫学研究により、習慣的な身体活動が乳ガン発症や再発を低下させることが明らかとなってきている。しかし、「なぜ身体活動は乳ガンの発症を減らすことができるのか?」という、分子機序は明らかではない。身体運動を行うことで骨格筋から様々な分子が分泌されていることが近年明らかにされているため、本研究では、身体活動による乳ガン抑制効果に骨格筋由来因子が関与しているとの仮説を立て、骨格筋由来因子がガン細胞の増殖能に及ぼす影響を検討した。本研究の結果、骨格筋由来因子CTRP15は乳ガン細胞のエネルギー代謝を調節することで増殖能を低下させる可能性が考えられる。
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