高齢者における日常身体活動(運動を含むすべて)や不活動、睡眠などから成る24時間の生活バターンの実態を加速度センサー付体動計を用いて、それらの季節変動に合わせて客観的かつ精確に把握し、身体活動の量・質・タイミングの組合せ(総合的バターン)と種々様々な高齢者の心身の健康(既往歴、メンタルヘルス、QOL、体力など)との相互関連を明らかにすることが本研究の目的であった。 本研究では、日常身体活動の実態を調査するために、従来のアンケートに基づく主観的かつ曖昧な方法ではなく加速度センサー付体動計を用い、1年間以上、一日24時間連続してデータを測定した。その結果、一例を挙げると、病気のない人はある人に比べて、統計上有意に身体活動量(歩数と中強度[安静時代謝量の3倍以上]活動時間)が多く、体温(起床時・就寝時とも)が高く、睡眠効率が良い(寝つきがよく眠りが深い)ことが明らかになった。そして、従来の身体活動・運動に特化したガイドラインではなく、24時間全体の生活バターンに基づく健康長寿実現のための新しい指針を提案した。
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