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2013 年度 実施状況報告書

骨格筋由来の免疫抑制分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 25560367
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

深田 宗一朗  大阪大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (20432445)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード骨格筋 / 筋損傷 / 炎症性サイトカイン
研究概要

申請者は,激しい運動をすることで筋組織から免疫抑制物質が遊離し,これが樹状細胞の機能に影響を与え,免疫機能全体が抑制されているのではないかと仮説をたてた.そこで、C57BL/6マウスに蛇毒であるカルジオトキシンを投与する群と対照群を準備し,.カルジオトキシンと同時にLPSを腹腔に10mg/kgで投与し,血清中のIL-6, TNF-alpha等の炎症性サイトカインの濃度を調べた. その結果, カルジオトキシンにより筋損傷を与えた群では, 顕著な炎症性サイトカインの低下が観察できた. 種々のストレスが免疫細胞に対して抑制的に働く事が知られている. 筋損傷による炎症性サイトカインの低下も筋損傷によるストレスの可能性が考えられた為、血中のグルココルチコイドの濃度を測定したが、コントロールと筋損傷群では差異はなかった. 別の可能性としてカルジオトキシン自身が炎症性サイトカインの発現に影響を与える可能性もあった為, 筋ジストロフィ-のモデルマウスであるmdxマウスとコントロールマウスを用いて検討を行ったところ、一度の実験ではあるが、mdxにLPSを投与した場合には顕著な血中炎症性サイトカインの低下が観察できた。以上の結果は,申請者の提示した仮説の正当性を裏付ける結果であり、骨格筋内には免疫能に対して抑制的に働く分子が存在している事を強く裏付けた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請課題においてH25年度には3つの計画を立案している。
一つ目が【研究計画1:筋傷害と免疫能の検討】であり、研究実績概要に記載した通り、計画書通りの検討を行う事で,骨格筋内には免疫機能に対して抑制的に働く分子が損害する事が強く示唆された。
二つ目が【研究計画2:骨格筋抽出物と樹状細胞機能】であり、計画書には筋抽出物を用いると計画していたが, 血清を用いる事で、筋損傷後血清に樹状細胞の機能を抑制するかを検討した.しかし、血清では抑制効果を見る事が出来なかった. 【研究計画3:骨格筋抽出物から活性タンパクの単離・精製】を行う際には血清からの単離の方が容易であると想像されるため, 樹状細胞以外のマクロファージや血管内皮細胞等LPSに応答できる細胞細胞での検討を進めるとともに, 計画書通り骨格筋抽出物を用いた検討も進める必要がある.

今後の研究の推進方策

H25年度に行った成果は、これまで疫学的な調査から示されてはいたが科学的に根拠が乏しかったのが事実に対して大きな一石を投じる結果が得られた。しかしながら本当に筋組織から免疫抑制分子が放出されているかについては更なる検討が必要と考えられた。一つの可能性として、LPSに応答しているのが骨格筋自身の可能性があげられる.このようなアイデアはこれまで存在しないが, 骨格筋由来免疫能抑制因子を同定する為には検討課題として浮上した. そこで、H25年度に引き続き、実験動物を用いた検討を繰り返し再現性や上記可能性を検討すると同時に, 血清または骨格筋抽出物を用いた検討を行う事で骨格筋由来免疫能抑制因子同定を目指す.

次年度の研究費の使用計画

本年度はin vivoでの解析の再現性について慎重に検討を行った為、培養機器や単離に必要な機器・消耗品の購入を行わなかったため.
H26年度はin vitroにおけるアッセイ系を確立する為に使用する. また骨格筋由来免疫抑制因子の同定に関するカラムや機器の購入に充てる予定.

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公開日: 2015-05-28  

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