研究課題
Wistar系ラットから樹立された高運動習性動物モデルであるSPORTS(Spontaneously Running Tokushima-Shikoku)ラットが運動を抑制することで動脈硬化・心房内血栓を自然発症し高頻度に脳塞栓を起こすことから、本ラットにおける未解明の動脈硬化・血栓形成の原因遺伝子の同定ならびに運動によるエピジェネティックな動脈硬化・血栓形成予防作用の分子基盤解明を目的に研究を行い以下の成果を得た。1.自作データベースをもとに新規ラットエクソームキャプチャーツール(約45Mb規模)を作製し、交雑子を用いて、次世代シーケンサー解析と、連鎖解析による表現型連鎖染色体領域決定とを行い、動脈硬化・心房内血栓原因遺伝子変異候補を同定したが、機能推定からも候補は複数にとどまった。2.血管組織を対象にした発現解析から、代謝、凝固、内皮機能関連のパスウェイに関与する遺伝子が抽出されたが、1の候補遺伝子との関連は確認できなかった。このため、ゲノム解析とトランスクリプトーム解析の統合による分子機序の推定には至らなかった。3.ラットの標的領域に対するDNAメチル化解析プラットフォームを確立し、細胞・受精卵レベルでのゲノム編集技術の導入による遺伝子改変も一部技術を確立したものの、1、2の理由によりエピジェネティックメモリーとしての検討には至らなかった。これらの結果は、未知の遺伝的異常や遺伝―環境要因による多因子の関与を示唆しており、責任遺伝子の同定戦略の見直しを行う必要がある。
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http://www.tokushima-u.ac.jp/med/culture/jinruiiden/