研究課題/領域番号 |
25560372
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
岡崎 和伸 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (70447754)
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研究分担者 |
横山 久代 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (10647829)
宮側 敏明 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 教授 (40067252)
今井 大喜 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 講師 (40614483)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 体温調節能 / 生活習慣病 / 環境生理学 |
研究実績の概要 |
高インスリン時には低インスリン時に比べて体温調節応答が亢進するかどうかを検証する研究(研究2)を実施した。 まず、若年健常者10名において、鼻腔内インスリン投与による脳内高インスリンが血中グルコースおよびインスリン濃度に及ぼす影響を検討した。鼻腔内インスリン投与は、点鼻スプレーを用いて、レギュラーインスリンを1分おきに左右の鼻腔に交互に16回(計160単位)投与した。その結果、鼻腔内インスリン投与試行ではプラセボ(生理食塩水)試行に比べて、投与開始後15分から3時間までの血中グルコースおよびインスリン濃度の変化しないことを確認した。 次に、若年健常者5名において、鼻腔内インスリン投与による脳内高インスリンが体温調節応答に及ぼす影響について検討した。全ての被験者において、上記の鼻腔内インスリン投与およびプラセボ試行をランダムに実施した。人工気象室(気温28℃、湿度40%)における椅座位安静時に投与前後の測定を実施した後、60分間の下肢温浴による受動加温(42℃の循環水に両下腿の腓骨頭下を浸水)時の体温調節応答(発汗および皮膚血管拡張開始の食道温閾値)を測定した。食道温および皮膚温、胸部および前腕部の皮膚血管コンダクタンス(皮膚血流量/平均血圧)と局所発汗量、心拍数、呼吸数、血圧を連続測定した。また、主観的温冷感覚(VAS法)を受動加温前および加温10分毎に測定した。また、受動加温前および加温20分毎に採血し、血液学検査(ヘマトクリットおよびヘモグロビン濃度から相対的血漿量変化量を算出)に加え、血漿中のグルコース、乳酸および浸透圧濃度を測定した。その結果、鼻腔内インスリン投与による脳内高インスリンによって、発汗および皮膚血管拡張開始の食道温閾値が低下する者と上昇する者が認められ、それは、脳内インスリン感受性に関与する可能性が考えられた。
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