運動と内部臓器との相互作用を明らかにすることは、競技能力の向上に役立つに留まらず、運動による健康増進にも大きく貢献する。特に近年では、高齢者のサルコペニア(筋萎縮)が注目され、骨格筋の萎縮とトレーニングによる筋肥大に焦点を当てた研究報告は数多い。本研究では、サルコペニアの原因が、単に骨格筋の萎縮だけではなく、加齢に伴う腸管機能の低下が原因である可能性に着目して、若齢マウスと加齢マウスを用いて骨格筋萎縮と腸管機能の関連を調べた。その結果、腸内環境を維持するプロバイオティクスを摂取した際には、ギプス固定で筋不活動状態(骨格筋萎縮誘導)の後、筋の肥大過程が改善されることが示唆された。
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