研究課題/領域番号 |
25560378
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90375460)
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研究分担者 |
栗原 俊之 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (10454076)
浜岡 隆文 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70266518)
藤田 聡 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80451863)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脂肪蓄積 / 有酸素性運動 / 動脈硬化 / 筋細胞内脂肪 / 筋細胞外脂肪 |
研究概要 |
脂肪が体内に過剰に蓄積した状態である肥満は、心血管系疾患リスクを増大させる。体内の脂肪は皮下脂肪、内臓脂肪だけでなく、各組織内においても蓄積される。しかしながら、筋細胞内脂肪(IMCL)および筋細胞外脂肪(EMCL)含有量による動脈硬化リスクへの影響については明らかでない。そこで本研究では、IMCLおよびEMCL含有量と動脈硬化度との関係について、性別および年齢の影響を横断的に検討することを目的とした。 本研究では、健常な男女139名(18-81歳;男性75名、女性64名)を対象に大腿部のIMCLおよびEMCL含有量を1H-MRSにて測定した。また、動脈硬化度は上腕‐足首間の脈波伝播速度(baPWV)にて評価した。男性において、IMCL含有量とbaPWVとの間に有意な相関関係は認められなかったが、女性では有意な負の相関関係が認められた(R=-0.396,P=0.0012)。さらに、40歳を基準として群分けして検討した結果、40歳以下では男女共にIMCL含有量とbaPWVとの間に有意な相関関係は認められなかった。しかしながら、40歳以上の女性において、有意な負の相関関係が認められた(R=-0.36,P=0.0176)。一方、EMCL含有量とbaPWVとの間に有意な正の相関関係が認められ、性別、年齢、体力の有無により分割してもその関係は同様であった。以上の結果から、IMCL含有量と動脈硬化度との間の相関関係には性差があり、特に中高齢女性において関連性があることが、EMCL含有量と動脈硬化度との間には年齢、性別、体力の有無に関係なく正の相関関係あることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は若年者および中高齢者の男女を対象に運動習慣の有無や性差,加齢による筋細胞内・外脂肪含有量の変化と動脈硬化リスクとの関連性を横断的に検討することが目的であったが、健常な男女139名(18-81歳;男性75名、女性64名)を対象として解析した結果、筋細胞内・外脂肪含有量の変化と動脈硬化リスクとの間には有意な関連性が認められるという結果が得られた。また、これらの関連性には、年齢、性別、体力の有無によっても変動する可能性も認められるという結果も得られたことから、計画どおりに研究が行われていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
動脈硬化指標に対する筋細胞内脂肪および筋細胞外脂肪の蓄積量との関連性を解明するために、横断的な検討を実施し、性別、年齢、体力の有無によってこれらの関連性に違いがある可能性が示されたことから、次年度は計画どおり、縦断的な検討により、動脈硬化指標に対する筋細胞内脂肪および筋細胞外脂肪の蓄積量との関連性を明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度計画の被験者数が予定よりも数十名測定が少なかった点や被験者数が多いため、血液解析に時間がかかったことから次年度に解析を行うために次年度使用が生じた。 本研究計画に従い、2年間の研究で検討するため、次年度に追加の測定や血液解析および次年度研究計画の測定、解析に関わる費用として使用する。
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