研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究の目的は長期的な運動介入により骨格筋量の増加が高い群(ハイレスポンダー)と低い群(ローレスポンダー)に焦点を当て、一過性の運動に対する応答を、血中因子の網羅的解析にて調査し、レジスタンス・トレーニングによる筋肥大の個人差のメカニズムを解明することである。平成25年度は予備実験を行い、筋肥大率の高い被験者と低い被験者の抽出を行った。具体的には19名の若年被験者を対象に上腕筋群のレジスタンストレーニングを実施し、6週間のトレーニング期間の前後においてMRIを用いて筋量の変化を評価した。その結果、レジスタンストレーニングに対する筋肥大の応答には個人差が認められ、0%から36%の大きな肥大差が確認された。筋横断面積の増加率から高肥大群と低肥大群に群分けを行い、筋力と筋横断面積の増加量・増加率を比較すると、筋横断面積の増加率は高肥大群が有意に高い値を示したが、筋力の増加率は群間で有意差を示さなかった。さらに高肥大群と低肥大群を対象に単回のレジスタンス運動を実施し、運動前後に採血と筋組織の採取を実施した。その後、両群共に週3回、12週間の下肢筋群のレジスタンストレーニングを実施し、トレーニング前後においてMRIを用いて筋肥大率を評価した。その結果、上肢と同様に高肥大群は低肥大群と比較して下肢筋群におていも高い筋量の増加を示した。
2: おおむね順調に進展している
研究は予定どおりに進んでおり、初年度の研究計画で予定していた若年者を対象とした実験は単回および長期トレーニング共に終了した。組織サンプルの採取も予定どおり終えることができた。よって研究はおおむね順調に進んでいると評価できる。
平成26年度は計画どおりに血液および筋組織の網羅的解析を行ない、運動前後の血中と筋組織内の因子から筋肥大率の高いハイレスポンダーと肥大率の低いローレスポンダーの応答差が生じるメカニズムの抽出を試みる。
血液因子の抽出に用いるための測定キットの検討に予想以上に時間がかかったため、年度末までに本実験用のキットの購入ができなかった。既に本実験で用いる血液の測定キットの種類は平成25年度の実験結果から確定しており、平成26年度において速やかに未使用分の予算を執行する予定である。
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